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1.草創 始まりと発展

会計事務所の一角からスタート。
「育てたい」と「学びたい」が出会った場所。

島田実業高等専修学校。この小さな学校の歴史は1953年(昭和28)9月、一人の熱意にあふれた青年の志からスタートします。
当時は、終戦の混乱からようやく復興へと立ち上がり始めた時期。日本経済の復興を支えるために、経理のプロを育成することが必要だと強く感じていた税理士・岡戸八郎先生は、島田市幸町にあった自宅兼会計事務所の一角を教室として開放し、学ぶ意欲をもった若者たちに講義を始めます。「島田高等簿記学校」の誕生でした。

当時は1年制で、岡戸先生は税務の関係の勉強を教えていましたが、哲学や西洋の文学などにも造詣の深い方で、会計や簿記のことだけにとどまらない授業内容だったようです。生徒たちは岡戸先生のもとで建学の精神を磨き、中には税理士になった方もいました。当時の教育方針は「美しい魂への志向」「正しい思考の練磨」「力としての技術の習得」。講義内容の奥深さを物語っています。
「育てたい熱意と、学びたい意欲が出会った場」
島実の原点はここにあり、今なおその魂は受け継がれ育まれています。

1965年(昭和40)4月、学校制度改変にともない、現在の元島田に校舎を建設。学校名も「島田高等経理学校」と改めます。このときも岡戸先生は自らショベルをもってスーツ姿で土を掘るなど、新校舎建設に力を注いだといいます。同年10月には正式に学校法人となり、普通科を高等部3年と定め、同時に専門部を1年に設定。より高度な技能を磨くべく、人材育成には幾人かの税理士の先生が授業を受け持つこともありました。

時代の流れに合わせて積極的に取り入れてきたものもいくつかあります。その一つが、1966年(昭和41)の高等学校との技能連携です。その頃には学校制度も整備され、社会に出ていくにあたり、高校卒業の資格が必要になる場面も増えていました。翌1967年(昭和42)12月には通信制課程の指定を受け「九州商業高等学校」と連携。本校による専門科目、そして技能連携による一般科目と合わせて高校卒業の資格が得られる、というスタイルでした。大学進学や就職時にも対応できるようにという取り組みは、その後20年以上続けられます。

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